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古薩摩羅漢八歳竜女図壺

¥220,000 税込

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7.5cm×7.5cm 高さ15cm 羅漢と女性
江戸中期頃 
まず、羅漢(阿羅漢)が描かれている有難い壺だと云うことは伝わります。
その隣り合わせに女性たちの姿が描かれております。
そして羅漢が子供と共に描かれている
そして女性たちの何気ない日常の姿

これは???

「きっと、物語があるんだろうね」
「羅漢と芸者?」
「ユーモアを含んでいるのかね?」

このようなご意見が多数の中で、地味に裏方で調べておりました。

石のような質感に変化している肌に貫入が全面に入っているので明治薩摩ではないことはわかります。

絵柄の女性と子供が店頭に陳列している他の羅漢のものより何か深い意味があるはず・・・と、時間があれば調べており、私なりの見解に辿り着きましたので、一意見として御拝読願います。

羅漢(阿羅漢)に関しては皆様もご存知のように尊敬を受けるに相応わしい聖人として認知されております。

仏教が親鸞、日蓮により日本に伝わった当時、女性軽視の時代でした。
女性は成仏できないとされていた時代はその後も長く続き、女性は悟りは開けないとされたまま時代は移り変わります。

女性軽視は無意味であることを日本人が受け入れるには江戸時代を迎え、その考えはゆっくりと広がったのではないかと予測できます。

現代の日本人の特徴でもありますが、海に囲まれた島国に新しいものや思想が広がるには時間はかかる事が想像できます。

お釈迦様の教えに男女の区別はないと人々が感じるようになった頃に今回の薩摩は祈りと共に作られたのではないかと考えられます。

子供の姿は「八歳竜女」と称される、女性で初めて成仏(悟りを開いた人)して男性の姿になったとされており、この方は八歳の娘で蛇の姿をした畜生と言われていたとされてます。

あまり詳しく書き込みますと、また女店主が〜等と批判を受けそうですので、女性軽視の云々は御拝読の皆様でお調べ頂き御解釈願います。
画面正面/上下に島津家の家紋、丸に十が描かれております。

島津家の家紋として有名な丸に十の字ですが、こちらは戦国時代は十字として「十」だけが描かれていたものが、江戸時代を迎える頃には、衣類に家紋を入れることが増えた事や、キリスト教と間違えられやすいと云う理由から丸(○)を加えたと言われております。


薩摩焼の誕生は文禄・慶長に朝鮮から陶工を連れて帰ったのがはじめですので、その後の1700年代頃に作られたものと判断できます。

又、幕末から明治にかけては献上品や海外へ輸出する白薩摩と庶民用の黒薩摩の生産が盛んになり、この辺りの時代背景や当時の政治情勢をお調べ頂けましたら、今回の薩摩焼とは異なる肌や紋様が見て取れるかと思います。


こちらの壺が作られた時代には美術と云う概念がまだ無い頃のものですので、祈りや願いに近い「想い」が込められ、それらを所有するに相応わしい人物の元に納められたと推測できます。

歴史には様々な思想と現実が混合されており、それらを紐解いて行くと古美術品の内側に秘められた想いに触れることも多々ございます。

雅で美しい中にも祈りや願い有りの時代。

コンビニやスーパーに行けば食材が手に入る現代とは異なる時代に作られたものとして、目の前の現存するものと向き会うことの奇跡にも・・・様々な想いを巡らせるきっかけとなるかと思います。

綺麗、可愛い、美しい、素晴らしい、面白い、楽しい、欲しい、等の言葉が発せられるには深い理由があるのだと・・・改めて感じさせられる古壺です。

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