2023/09/26 18:46

「折紙付き」と聞くと、今ではその評価に責任を持つ意味合いとして使われています。
語源をお話しさせて頂きますと、刀の鑑定書のお話に繋がります。


刀剣の鑑定で有名なのは、今も昔も本阿弥家です。
元和2年
徳川家康が本阿弥家九代目光徳の代で刀剣極め所と定めました。
それから本阿弥家が折紙型式の鑑定書を発行したので「折紙」とは鑑定書と同義語になりました。
明治維新まで発行されましたが享保の頃の十三代光忠まで折紙の権威が認められておりました。

刀装小道具は幕府お抱えの後藤家が「後藤折紙」を発行しておりました。

明治以降は、各目利きが鑑定書を発行。

日本国は国宝制度を創建。
その頃に秀れた刀や他の美術品は国宝、又は重要美術品に指定。
(クラスは①国宝②重要美術品の順番です)

戦後、昭和25年文化財保護法が制定。
その時点での国宝は全て重要文化財とされました。
重要美術品の認定もそれ以降は中止。

その重要文化財となった中から国宝に格上げされた刀や美術品が現在の国宝です。
戦後、国指定まで格上げされる刀は然程存在しません。

現在ランクづけ鑑定を行うのは日本美術刀剣保存協会です。
戦後、刀が米国に接収される混乱の時代に刀剣に携わる方々が協力して作り上げた団体です。

刀剣に携わる方でしたらマルトクと言えば唸る名品の事とご存知ですが、マルトクとは特別貴重刀剣認定書という証書が存在しました。現在でもマルトクは基準として確立しております。

マルトクの上のランクは重要刀剣証です。

貴重刀剣制度と呼ばれる上記の制度も昭和56年頃以降は基準と名前を変えて保存刀剣審査となりました。
重要刀剣審査との二本立ての審査とされております。

現在の折紙は以下4つ

保存刀剣鑑定書
特別保存刀剣鑑定書
重要刀剣指定書
特別重要刀剣指定書


折紙付という言葉が令和までも浸透しているのは江戸時代の本阿弥家が発行した折紙の信頼性がどれほどのものだったのかが想像できます。

鑑定書の有無に限らず、日本の歴史上で残されてきた刀剣を受け継ぎ、維持する意味合いを個々で見定めたい時代かと存じます。

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