2023/09/26 20:31

本日、悪天候の中、お買い物に訪れて下さいましたご新規のお客様には心より感謝申し上げます。
質問を受けて、なるほど‥‥と思い記事にさせて頂きます。
「どこで大正時代だと見分けているのですか?」
とのご質問がございましたので、下に白い紙を敷いてご案内申し上げました。
画像は全て
*左=大正時代 右=現代(令和)

他の大正ガラスも並べてみました。
お気づきになられたかと思いますが、左の大正時代の方が無色透明には、まだまだ程遠く、右側の現代作られているものは完全なる透明を実現化しております。
大正時代のガラスは、少し濁った色味を帯びており、黄色に近い色が透明部分に見て取れます。
まずは「透明部分」に着目して頂き、続きましては「気泡」です。

大正ガラスには当時の空気がそのまま閉じ込められるように「気泡」が生じているものがほとんどです。
気泡が無いものも多く存在しておりますが、氷カップのような日常使い品には高い割合で気泡が入っている事が多いです。
現代のガラスは気泡が混じらないように技術が向上しておりますので、現代では商品化に至らないであろう「気泡」が、大正時代のものでは逆に味わいとして愛でる事ができます。

店先で「ん?」と思われたら、白い紙を出してもらうのも良いかもしれません。
店側の混雑具合等も考えてお声がけ頂ければ、嫌がる店舗はないとは思います。
購入意思がなく知識お披露目の為にお声がけされるのは購入者として避けて下さい。
購入しようかな?と思われた時に念の為の確認程度に覚えておいて下さい。
面倒な事を書いて同業の方々にはご迷惑をお掛けしますが、確かなお買い物を求められるお客様には有効なご案内かと思います。

古いガラス(この場合、江戸時代の薩摩切子等も含まれます)には、独特の透明に届かない未完成な美があります。

形に関しては、やきものと同じく、全体的に歪んだ形状が質感とは真逆の温かみを感じさせるものとして人気です(薩摩切子に至っては寸分狂わずの凄技です)

最近作られた大正ガラス風もたくさん見てきたつもりでおりますが、この部分まで完璧に再現しているものは少なかったです。
記事にすると、大正ガラス写しを制作されている方が「なるほど」と思われるかと思いますが、やってみるのも技術を磨くコツになるかもしれません。

ちなみに歴史的な目線でご覧頂きたいのは、大正ガラスが作られた後、戦争の時代に日本は入ります。
街角でかき氷を食べていた豊かな大正時代からドンドンと変わりゆく時代に差し掛かり、職人方は兵に‥‥、と、そのような時代背景まで想像して頂けましたら、より深みが感じられるかと思います。

本日、ご新規でご購入して頂きましたお客様のご令嬢様へ向けての記事にもなります。

ご参考までにご記憶願います。

 

*数多く見ていくとパッと見でわかるようにはなりますが、念の為、具体的にポイントをあげてみました。