2023/09/26 22:01

六古窯(備前、信楽、丹波、常滑、瀬戸、越前)の物で水漏れが生じて困っておられる方へ。

当店では『米のとぎ汁』を入れて放置しておく事をお薦め致して参りました。

口頭でお客様にはお伝えしてきましたが記事が無かったので御紹介させて頂きます。

 

私も誰に聞いたか忘れましたが、焼き物で水漏れする場合は磁器では無い場合は、まずは米のとぎ汁を入れて一晩放置する事を教えられました。

時折、時間のある時は画像のように米のとぎ汁を入れて手入れを行っております。

底が割れてしまっているものは修理に出さなくてはなりませんが、なんとなくジンワリと、どこからか漏れるようであれが、この方法をまずはお試し下さい。

 

米の粘りとなる成分が土の細かな粒子(溝)に入り込みコーティングの役割を果たしてくれるそうです。

 

又、六古窯のものは「育てる器」として有名ですが、もっと早く変化を出したい時には日本酒を器全体に手で馴染ませると艶が出て落ち着いた雰囲気になります。

 

1日〜2日では変化は見られませんが、長く続ける事により土の肌艶が変化してきます。

 

本日は育てると云うよりもメンテナンスと云う意味で御紹介です。

 

参考画像は古備前ですので数百年も前に作られたものですが、水漏れはしません。

しかし、店頭に鎮座させておくばかりではなく、当店ではたまにメンテナンスを行うよう心がけております。

 

だいたい一晩寝かせるのですが、特に変化は見受けられません。

やっておくとおかないでは後々違ってきますので、お手元の陶器も時々メンテナンスを行ってあげて下さい。

長持ちします。

 

持ち主により表情を変えるのが六古窯(ろっこよう)と呼ばれる上記に記載した6つの焼き物です。

日本古来から現代に伝わる歴史の長い焼き物です。

 

状態の良いもの、悪いものでも味があるのが特徴です。

 

壷の場合は中に何を入れていたかで表情が変わってきているのが解ります。

 

米のとぎ汁は普通に捨てて下さい。

土が僅かでも水分を含み、再び活躍出来るよう、時々、お試し下さいませ。

 

地味な作業が長持ちの秘訣です。

 

漆器の手入れ方法も色々な案があります。

お手元の古美術品でお困りの事がございましたら、問合せ下さい。

 

自分の代で終わらせるようなものでは無いと考え所有される方が多いのが古美術収集家の気持ちです。

大切に使われてきた証が目に見えて解るもの程、取扱にも気持ちを注ぎたくなります。

 

本日は雪ですが、秋の空気の乾いた季節に行うのも器のためかもしれません。

是非、お試し下さい。

 

*磁器の場合は金継される事をお薦め致します。磁器には、この方法は適さないので御注意を(伊万里や九谷等)