2023/09/26 21:08


もう少し、明確に今回は都道府県と読み方を添えます。
津軽塗(つがるぬり)青森県
元禄時代に藩主に召し抱えられた塗師により生み出されました。
色漆を塗った後、研ぎ出し方に様々な技法があり、唐塗・七々子塗・紋紗塗・錦塗等があります。
秀衝塗(ひでひらぬり)岩手県
奥州藤原氏の仏教美術に源を発し、12世紀まで遡ります。
秀衝紋様が特徴です。華麗なる美を感じられます。
浄法寺塗(じょうほうじぬり)岩手県
浄法寺の天台宗・天台寺の寺僧により作られたのがはじめと伝わっています。8世紀前半まで遡ります。歴史の中で一度途絶えておりましたが、現在、再興されており黒や朱、溜色の単色のもので艶消しされたものが多い。
鳴子漆器(なるこしっき)宮城県
起源は寛永頃と伝わっております。古いものは紅溜塗のものが多く、現在はケヤキの木目が見える木地呂塗・拭漆で仕上げているものが多く生産されております。
川連漆器(かわつらしっき)秋田県
起源19世紀。豊富な原木に恵まれた地からは沈金・蒔絵の加飾法が生み出されました。
会津塗(あいづぬり)福島県
会津藩主の保護の元、16世紀に発展しました。
鎌倉彫(かまくらぼり)神奈川県
鎌倉時代に確立。元は仏師が彫刻・漆を手がけておりましたが、神仏混淆禁止令(しんぶつこんこうきんしれい)より、日常品を作るようになり今に至ります。
小田原漆器(おだわらしっき)神奈川県
15世紀、箱根で木地に漆を塗り木地呂塗・摺漆等、木目が見える塗り方が特徴です。
村上木彫堆朱(むらかみきぼりついしゅ)新潟県
19世紀初頭、村上藩主が讃岐(香川県)の玉楮象谷(たまかじぞうこく)1807~1869年に技術を学んだとされております。朱塗が有名です。
木曾漆器(きそしっき)長野県
17世紀初頭。檜が豊富な土地です。堆朱塗や幾何学紋様に加飾する塗り方などの技法も様々です。素朴な弁当箱も有名。
飛騨春慶(ひだしゅんけい)岐阜県
起源は17世紀初頭。木地、木肌、木目を活かした透漆塗です。黄春慶と紅春慶があります。
高岡漆器(たかおかしっき)富山県
起源は17世紀初期。堆朱や存清等の中国の技法を用いる。彫刻に漆を塗るものや貝・石をはめ込む勇助塗、貝を貼り更に漆で塗り研ぎだす青貝塗などがあります。
輪島塗(わじまぬり)石川県
11世紀初頭がはじめとされております。
沈金・蒔絵の技術が非常に高い事から世界的に有名でもあります。
山中漆器(やまなかしっき)石川県
起源は16世紀。木地を轆轤(ろくろ)挽きにした数十種類の加飾挽技術が優れております。
塗り技法もさまざとあり木目を活かしたものが多い。
金沢漆器(かなざわしっき)石川県
17世紀初頭、藩主 前田利常(1593年~1658年)が高台寺蒔絵の名工 五十嵐道甫(いがらしどうほ)を招いたことが始まります。貴族・武家の文化が色濃く残る美術工芸品として有名です。
越前漆器(えちぜんしっき)福井県
起源は、なんと6世紀まで遡ります。19世紀に入りますと呂色、蒔絵、沈金等の技法も確立しました。ちなみに当店での新しい漆器を御注文される場合は、ほぼ越前塗の職人に手がけていただいております。
若狭塗(わかさぬり)福井県
17世紀、小浜藩の塗り師が中国の技法をみて海底の様子を意匠化したのがはじまりと伝わっております。小浜藩の保護の元様々な技法を懲らし繁栄してきました。
京漆器(きょうしっき)京都府
唐の技術を元に平安初期に始まりました。本阿弥光悦(ほんあみこうえつ)1558年~1637年を輩出したことでも有名です。
紀州漆器(きしゅうしっき)和歌山県
16世紀後半が起源と伝わっております。黒江塗と根来塗があり、根来塗は元々が根来寺の僧侶が什器として使用したことでも有名です。江戸時代に入りますと紀州藩の保護の元、大量生産に成功。シンプルなデザインに趣きのある風合いが人気です。
大内塗(おおうちぬり)山口県
16世紀初頭。大内氏が山口に居城した頃が起源とされています。家紋大内菱を金箔で貼るのが特徴です。
香川漆器(かがわしっき)香川県
19世紀初めに玉楮象谷(たまかじぞうこく)1807~1869年が中国から伝来した技法に日本の技法を加えたのが香川漆器となります。
琉球漆器(りゅうきゅうしっき)沖縄県
15世紀初頭が起源。螺鈿、堆金、沈金、箔絵等、様々な加飾が施され鮮やかな色彩は琉球漆器の他に例がないほど土地柄が色濃く表現されており人目を惹きます。
こうしてみますと、単に漆器と申し上げるだけでも土地により刻まれた歴史は深く、試行錯誤を重ねた漆器は日本文化の誇る工芸品と言えます。
海外ではジャパンと言えば漆器を意味する程に認識された漆器。
お手元の漆器も使い込むたびに歴史を刻み風合いが増します。
又、修理も出来ますので気軽にお使い下さい。
ただし蒔絵等の剥がれは部分的に修理が困難な為、難しい事もございます。
(全面塗・部分塗等でしたら可能ですが蒔絵を剥がしての修理となりますと少々難しくなります。この場合は修理しない方を勧めさせて頂きます)
変色やひび、割れや剥がれ等でしたら修理し何度でもお使いになれます。
当店では鎌倉彫・小田原漆器・越前漆器の職人が修理を承ります。
御不安等がありましたら私(店主)に御相談下さい。
是非、漆器を日常へ取り入れてみて下さい。

以下、時代毎に漆器の歴史を御案内させて頂きます。ご興味のある時代をご拝読下さい。

日本の器 漆 うるし←まとめました。ご拝読ください。